僕の左側
手紙は、キッチンの扉の裏においた。

包丁がしまってあるそこは、あいつが一番よく開けていたところだったから。

僕が仕事に行っている間、少しずつ自分の荷物をとりにくるあいつが、気づいてくれることを祈って、僕は手紙をそこにおいた。

あいつが手紙に気づかなかったら、本当にあいつとは終わりにしようと、心に決めた。
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