メトロノーム 【完】
「最近会わないな。
付き合ってた頃は毎日会ってたのに。会おうとしないだけで、こうも会わなくなるんだな。」



・・・隼人も同じこと考えていたんだね。



「七海は今日予定入ってたりするの?」

「あ、うん。」

「まさか男とだったりして?」

「・・・」

「あ、ごめん。変なこと聞いちゃって。」

「ううん・・・」

「じゃあまた、学校でな。」



明らかにトーンの低くなった声が、妙に耳に響く。



「うん、また。」



会おうとしなければ会えないことは、お互い分かってる。

『学校で』普通ならなんともないこの言葉。

でもこの言葉は、私達にとっては重いものだった。
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