メトロノーム 【完】
「ほ、本当に?」

「うん、本当に。」

「俺、てっきり彼氏いるんだと・・・」

「隼人は?彼女。」

「俺は、いないから!」

そう言う瞳はとても真剣で、しっかりと私の視線をつかんでいた。



「なぁ・・・」

見つめあったままの沈黙を破ったのは、隼人だった。

「もうすぐバレンタインじゃん。

チョコ・・・欲しい。

義理チョコでいいから、七海からもらいたい。だめ?」




ドクン―・・

心臓がはねる。

もう二度と過ごせないと思っていた、

隼人とのバレンタイン。
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