メトロノーム 【完】
「な~な~みっ!」

やっと放課後になり、下駄箱で靴を履き変えていると、背中から声が聞こえる。

振り返らなくてもわかる、隼人の声。

「迎えに来ちゃった」

そう言われ、差し出された手を握る。

自然と二人笑顔になって、歩き出す。

校舎が違うから、私が行こうとしてたのに、わざわざ迎えに来てくれるなんて‥

そんな小さなことが、とても大きな幸せに思える。


「七海、どこ行きたい?」

「プリクラ撮りたい‥ダメかな?」


隼人くんは写真とかプリクラとか苦手らしく

前回誘った時は断られてしまった。

また断られる‥?


「俺らの正式な付き合い記念プリだなぁ。」

「え?」

「行こっか!」

「うんっ!」
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