漆黒な世界
だが、微かに感じるだけで少し気を緩めると分からなくなってしまう

ただ、感じるままに向かっているのだが、だんだん風が弱くなっているようにも感じていた。

風が止んでしまうと、ここまでの時間や体力が無駄になる

焦りを感じながら歩いていた

『お願い!まだ止まないで!!』

ひたすら歩く。

だが、そんな願いも虚しく風を感じなくなってしまった。


『どうしてこんな洞窟に入ってしまったのか』

と悔しさと後悔が押し寄せ責める自分もいれば

『ここなら誰にもみつからない。どうせ誰も自分が居なくても探さないのだから』

と諦めと逃避しそうな自分がいた


元々気が沈んでいた理由というのも、上手くいかない仕事や人間関係を築くこと、好きな人がいても相手にされない
一人暮らしだが生活も毎月のカードの支払いなどで苦しくなっていくばかり


自業自得なのだが、何もかもから逃げ出したくて

この世から消えたいと

そう思う日が続いていた

考えることでどんどんマイナスに向かってしまっていた
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