-片翼だけの天使-
僕達は右と左に別れ、歩きだした。僕は後ろを振り返りながら歩いた。熱いものが体を流れて幸せな気分だった。僕は蛍子に恋をしている。はっきりとそう認識した。ホームにつくと、反対側のホームに蛍子が見えた。
僕達はお互いに手を振った。体が熱くて頭がぼーっとしている。浮ついた気分で家に帰ってきた。
どのくらいの間、ぼーっと考えていたんだかわからない。いつの間にか、心地よい疲れが眠気を誘い、眠ってしまった。