forget-me-not
その男の人の影になるように
女の人が見えた・・・

「絶対終わりになんか
 させないから・・こんなに
 ―――愛してるのに」

泣きながら女の人は叫んだ


「ククッ愛か・・・君の愛は
 ずいぶん安っぽいんだね」

「ひどい・・・」

「確かに体の相性は
悪くなかったけど・・
 それだけだろ?
元々僕たちに恋愛感情なんて
 無かったじゃないか・・
クククッ」

そういうと冷たい目で
女の人を見つめた

「もう、帰ってくれないか
しつこい女は嫌いなんだ」

泣き崩れる女の人に向かって
言い放った


―――そして

その冷たい目は扉の方へを向いた



「誰・・?」


「ごっごめんなさい・・
 邪魔をするつもりは
無かったんです」

「・・・」

鋭い眼差しをこちらに向け
ニヤッと笑った


「あぁぁー君
 ―――お隣の
ゆいちゃんだね・・・」

「僕はここの次男坊の
鏡夜(きょうや)」

「双子の・・・」

「―――そう
双子の兄のほう」







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