forget-me-not
「ここ僕専用の温室で普段は誰も
 入れないんだけどな・・・」


そう言いながらゆっくり
こちらへ歩いてくる


ペタッ・・ペタッっと
足音をたてながら


そして私の目の前で止まり
鏡夜はゆいの顔を覗き込み・・


ニヤッと笑った


「ねぇ何もみてないよね?」

とニッコリ笑いながら
ゆいの唇を手で塞いだ


「なにも言わなくていい
でも分かってるよね?」


口は笑ってるのに目が
笑ってないってこういう
顔をいうんだ・・・


「・・・・」


「ほんとに大丈夫かな・・?
 なんなら今、教えてあげようか・・・」


鏡はジリッと詰め寄った


「だい・・大丈夫です
 誰にも言いませんから」


「物分りのいい子は
 嫌いじゃないよ」

そういうと背中を向けて
温室の奥へと消えて行った


















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