forget-me-not
目を覚ますと部屋の中は
オレンジ色に染まっていた


「はぁ・・
 体か軽くなってる・・・」


「ゆいちゃん目を覚ましたの」


起き上がってバルコニーの方を
見ると相馬さんが本を片手に
椅子に座っていた


相馬はベットのほうに歩いてくると


おでこに手をあて熱が
下がったか確かめた


「うん、熱は下がったね
 よかった・・・」

ずっとそばに居てくれたんだ


「ご心配おかけしました・・」


相馬は怒った顔をしながら
ゆいを睨んだ


「ほんとだよ!!
 具合が悪い時はちゃんと早めに
 言わないと駄目だろ」


「はいっ・・
 ごめんなさい」


シュンと肩を縮じめた
ゆいの頭をクシャっと撫でると


「じゃー罰として・・・
 今日の晩御飯は
 たくさん食べてもらうよ」

と屈託のない笑顔を向けた


「おじさんも
 凄い心配してるから
 元気になった事知らせてくるよ」

それから少しするとおじいさんやら
おじさん弥生さんがバタバタと
部屋に入ってきて


どんなに心配したかと
口をそろえて話し出した


余りにも心配性なみんなが
おかしくて思わず笑ってしまった


そんな私に弥生さんが


「あら笑い事じゃ
 ないんだから・・
 熱に魘されて悪魔に会ったとか
 変な事いってたんだから~」


「えっなんですかそれ・・・」


「えー覚えてないの?」


「ねぇー鏡ちゃんゆいちゃん
 言ってたわよね・・
 怖くてきれいな悪魔に会ったって」


みんなの影になって見えなかったが


鏡夜が顔をだした









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