forget-me-not
部屋に戻りうな垂れていると
ドアをノックする音がした


「コンコン・コンコン」


「あのさっきはごめんね
 ちょっといいかな?」


おそるおそるドアを開けた


「あっ・・ゆいちゃん」

今度こそ間違いなく殺される
そう思って必死に誤った


「鏡夜さん・・すいません
 私見てません何も見てませんから」


「クスッもしかして
 もう鏡ちゃんに
 苛められたの?そんなに怯えて」


「え・・・」

思わずジーっと見てしまった


「そっくりでしょ?
 僕たち一卵性双生児だから」


「始めまして鏡夜の弟の
 朔夜(さくや)です」


「ぁぁぁああ・・・」


なんだか頭が良く回らないな


そんな私のボケっとした顔をみて


「ぶっははははははぁ」


突然朔夜はお腹を抱えて笑いだした


「ごめんなんだか凄い
 ポカーンっとした顔で
 見つめるから」


「いや、ほんとごめん・・
 でも止まらない・・・
 ぎゃははははは」


仕舞いには転げて笑い出した


「あの・・」

ぎゃははっはは 


「あの・・」


ぶっはははははぁ


「そんな泣くほど
 笑わなくても・・・」


朔夜は目じりに涙を溜めながら
起き上がった


「ホントごめんね・・
 なんかさっきもマーライオンが
 どうとか言ってたの思い出したら
 止まんなくて・・」


「あとね・・
 さっきは僕も見てないよ
 湯気で全然見えなかった
 残念だけど・・・クスクス
 
 今は誰もいないからゆっくりどうぞ」


必死に笑いを堪えながら
部屋を出ていった









< 30 / 92 >

この作品をシェア

pagetop