forget-me-not
「2人とも晩御飯の時間だよー」

ギロッ

「晩御飯だと・・こいつにメシ
 なんて食ってる時間なんてない」

「鏡ちゃん口調が変わってる」

「さぐぢゃん
 たすげでぇ・・・」

「はっ・・・ゆい
 そんなにやつれて」

かわいそうにと私を抱き
寄せて涙ぐんだ

ぅぅぅうっうえーん


「くだらない子芝居をしてる暇が
 あったら問題を一問とけ」


ギロッ


ヒィィィィぃー

ゆいと朔は2人で縮み上がった


「いや・・きょうちゃん
 もう、ぶっ続けに6時間もやってるし
 脳にも栄養をあげないと
 余計に覚えが悪くなっちゃうよ」

恐る恐る朔夜が言うと


まぁ今日は初日だしこれくらいに
しといてやると言って鏡夜は部屋を
出て行った


「あーぁぁゆい怖かったね」

よしよしと頭をなでた

俺もテスト前は鏡に叩き込まれるから
痛いほど気持ちが分かると涙ぐみながら言った

「双子の弟が馬鹿だと
 俺の株が下がるって」

「酷いよねぇ~」と

2人は手と手を取り合って慰めあった

「でもださぁ
 鏡の教え方って完璧なんだよね
 解り易かっただろ??」

「そういば鏡ちゃんに
 教えてもらった
 後はスラスラ解けた・・・
 ―――でも」

2人は顔を見合わせた

プッッ

クスクス

「怖すぎだよね~」

と爆笑した











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