forget-me-not
木の下に寝そべって空に舞う
桜の花びらを見ていた


「ゆいっ」

上の方から呼びかける声がしたが
光が反射して顔がみえない


「何してるんだ?」

「・・・」

「さくちゃん・・」




「今そこ行くから待ってて」

そういうと一分もしないで
朔夜は姿を現した



「・・・・」



私の顔を見て朔ちゃんが固まっている


「泣いてたのか?」

「あっ・・」

慌てて涙を拭いた


「違うの桜がきれいだなぁって
 思って…見てたら
 ママの事思い出して」

心配そうな顔で私の顔を覗き込む

「ほらっ朔ちゃんも
 一緒に見てここ特等席だよ」

2人で寝転んで空を見上げた


「ホントだ
 凄い綺麗だな」


そう言ったきり

朔夜は深く聞こうとはしなかった





















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