forget-me-not
「マジかよこの女」

鏡夜はガクリと肩を落とした

「めんどくせぇーヤツ」

そう言ってゆいを抱き寄せ
コートの中に隠した

鏡夜にとっては人目に付くのが嫌で
やった行動だったがゆいには好都合だった

いつもは鏡夜の事が
怖くてしょうがないのに

この時ばかりは不思議なぐらい
安心した真っ黒な鏡ちゃんの中に
自分の黒い気持ちも
隠して欲しかった・・・・

*********

「おいっ!!
 まだかぁ・・・
 何時まで泣いてるんだよ」

さっきよりは納まったものの
中々止まらない


「あぁ~もぉ~めんどくせぇ

 アイス買ってやるから泣きやめよ」

へっ・・・

―――アイスって

何言ってるの鏡ちゃん?
似合わない・・・鏡ちゃんにその言葉

余りのギャップに思わず吹いてしまった


「ぶっっ」










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