forget-me-not
「グイッ」

ゆいの手を引っ張り歩き出した

「鏡ちゃん・・・私・・・」

―――そんな顔でみるな


「参考書探しに行くから付き合え」

ゆいを見ることなく冷たくいったが
鏡夜の優しさが嬉しかった


「・・・ありがと・・・」

その声は街の雑音に消されてしまう位
小さな声・・・・




この痛みはどこからくるんだ
悲しくないのに泣きたいような

俺は病気か・・・胸が締め付けられる
ように―――ずっと痛いんだ

ゆい・・・お前と居ると自分なのに自分じゃ
ないみたいでイライラする



―――だけど



何だかそこから離れたくないんだ


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