forget-me-not
家に着いたのは8時を過ぎた頃だった

門の前に人影が見えた


「そうちゃん・・・」

いったい何時からここで待ってたんだろ


2人に気づき相馬は顔を上げた


「鏡夜?
 お前も一緒だったのか」

「うん。街でばったり会ったから」


「そうか・・・」


相馬は隣に居るゆいに目線を移した

「嫌な思いさせてごめんな」

「そっそんな事ないよ・・・
 私が勝手に・・・

 ―――ごめんなさい」

「誤らないで・・・悪いのは僕の
 ほうだから・・・・無事に帰って
 着たんならそれでいいんだ」

でも、と言おうとするゆいの言葉を
さえぎるように相馬は言った


「もう、遅いから家に入って
 おじさんが心配するから」

「―――はい」

相ちゃんはさっきから目を合わせてくれない







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