人魚姫の涙~先生への想い~


海がすぐ近くにあるこの学校は

風にのって潮のにおいが飛んでくる。


体育館ではまだボールの音が響いてる。


ここあんまり通りたくないけど、通らなきゃ外出れないし。


しかたなく体育館の真横を通って、下駄箱に行く。


海でも行こうかな


あんまり行ったこと無かったし


どうせもう学校終わる時間だから、変じゃないよね。


行こう




「は~!疲れた!!」


突然、体育館のドアが開いた。


今、授業が終わったんだ。


やだ


とっさに下駄箱の裏にしゃがみこんで隠れた。


早く行ってよ


早く・・・




「ていうかさ、転校生の子さぁ、来てなくない?」




びくっとした。


私の・・・ことだよね。




汗ばむ手をぎゅっと握って、目を閉じる。



何?


悪口?




< 15 / 97 >

この作品をシェア

pagetop