人魚姫の涙~先生への想い~


「あ~そういえばいなかったね~」

「つか、うち話しかけてあげたのに無視されたんですけど~」

「うわ!!綾子かわいそ!あの子何かやたら暗いし」

「あれだよ、ひとりにしてよってタイプじゃん?誰もお前と関わらね~よって感じ」

「あはははは!不登校になりそうじゃない?」

「なるなる!明日辺りはもう危ないね~」


ははははって、笑い声がだんだん遠くなってく。


階段を上ったのか、もう話し声は聞こえない。


息が苦しかった。


あれがあの子たちの本音・・・


あんまりにも


予想通りで


気持ち悪いよ


本当


人間なんてどうしようもないね。


愚かで

打算的で

結局自分が大切で



もうやだ


こんな世界で


生きていくしかないの?


疲れたよ



ひとりぼっちでいるのも


馬鹿で愚かな人間に囲まれるのも



全部



全部







< 16 / 97 >

この作品をシェア

pagetop