人魚姫の涙~先生への想い~
授業の終わりの鐘がなって
あの人はステージから降りた。
「お前、なんだかんだ2時間さぼってんじゃん。明日からはちゃんと出ろよ!」
ポケットに手を入れて、私の方を見る。
「・・・やだ」
小声でつぶやいて、私もステージから降りる。
聞こえない。
あの人にも、聞こえない。
聞かせない。
私の本音なんて、聞かせないよ。
私はそのまま靴を履いてさっきここに入ったとこから外に出た。
あの人は、どんな反応をしたんだろう。
もう、授業なんて出ないよ。
出たって意味ない。
海行こう。
うつむくと長い髪が私の顔を隠す。
何年もそのままだから伸びきってる。
私
ひとりぼっちなんだから
もう
戻れないんだから
怖がったって、しょうがないんだ