人魚姫の涙~先生への想い~



「ちょっといい?話しようか」



穏やかな顔をしているあの人。


話・・・?



「・・・何ですか」



自分でも驚くくらい低い声。


それにも動じず、私の前で腕を組んでいるあの人は・・・話し出す。



「あのな、この間天井に穴が開いてたの、知ってる?あれ、お前がやったの見てたってやつがいるんだけど」



あぁ


そんなことか


そうだよ、私がやったんだよ


修理代出せば文句ないでしょ



「お前がやったの?」



うるさいな


見てたんなら、もうはっきりしてるんだからいいじゃん


やったよ


私がやったよ


だったら何?



自分から申し出てほしいわけ?



そんなこと絶対しないよ。



もういいでしょ


早く離れてよ



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