人魚姫の涙~先生への想い~
「話しても・・・いいの?」
弱々しい私の声。
あの人は、大きく頷く。
「当たり前だろ。話してみろ」
そんなこと言ってくれる人が・・・いるなんてね。
聞かなくてもいいような私の話を、全部聞いてくれた。
ずっとこうしたかったのかもしれない。
あの人が私を素直にしてくれたんだ。
話し終えてあの人の顔を見てみると・・・目が合った。
笑ってくれた。
にこって・・・
その顔が
やけに目に焼きついて
苦しい
「そっか・・・」
腕を組むあの人は、真剣な表情をしている。
真剣に考えてくれる人がいたんだ。
私なんかのために。