人魚姫の涙~先生への想い~



「おはようございます・・・」




朝、教室で外を眺める私に・・・突然のお客さん。


ショートボブの髪に、大きな目の女の子。



この子・・・


もしかして





「あの、私6組の今井ゆきっていうんですけど・・・」





やっぱり


この子が、昨日『先生』が言ってた人だ。



私のこと心配してくれていた人・・・




「こっち来て」




クラス中の視線を集めていたから、人通りの少ない廊下まで連れ出した。


私に人が話しかけてるのがそんなに珍しい?


やっぱりあのクラスは嫌いだ。



みんな仮面をかぶっているように見える。





静かな廊下で私は壁にもたれて・・・うつむいた。


髪の隙間から、おどおどしている『今井』さんが見える。




・・・謝らなきゃ。



心配させたこと・・・。




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