人魚姫の涙~先生への想い~


ごめんなさい、と言おうと思ったのに


自然に出た言葉が




「・・・ありがとう」




だった。



だって、嬉しかったんだ。


謝るよりも先に、言っておきたかったのかもしれない。




驚いたようにしている『今井』さんも・・・優しく笑う。



一気に涙があふれた。



見つからないようにもっと深くうつむく。



「・・・松戸先生が・・・言ってたから。私のこと心配してるって」



ぽろぽろ、こぼれていく。



涙も言葉も、全部素直だった。


飾らない、考えないでもいえる言葉。


自然にあふれる涙。





「ごめんなさい・・・迷惑かけて・・・私ばかだから迷惑しかかけられないの」





謝罪の言葉に、今井さんは・・・







「そんなことない!迷惑なんかじゃないよ。私は水野さんの力になりたい」






うつむいていた視線が・・・自然に『今井』さんの目を見てた。




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