人魚姫の涙~先生への想い~
週に3時間の体育の授業。
今まであんなに避けていたのに、今ではこの授業がすごく大切。
「じゃあグループ作ってパス練習始めてください」
仲良しグループなんてない私は当然ひとりぼっち。
ボールを持って、突っ立ったまま。
別にいい。
時間がたてばこんなのすぐ終わる。
ただ、先生に心配をかけたくなくて
なるべく大勢のグループの後ろに隠れてた。
少しでも見えないように・・・。
こんなの無駄だってわかってるけど。
私ひとりがパス練習してないことくらい、先生にとってはどうでもいいことなのかもしれないけど・・・。
先生の体育、好きだから。
「あれ?水野さんひとりなんじゃない?」
「マジで・・・?うわぁ、うちらんとこ入りたいのかな?どうする?」
「いいよ、なんかひとりでもよさそうじゃん」
「そうだね~」
全部、聞こえてるよ。
大丈夫だよ
そのとおりだよ
ひとりでも大丈夫だよ
だって本音を聞いてくれる人が・・・ちゃんといるから。