人魚姫の涙~先生への想い~



「友達、なかなか作りにくいか?」



授業の終わりに、呼び出された。


今までだったら確実に反抗していたのに。



「・・・うん」



ここまで素直になれるとは正直思ってなかった。



「そっか・・・体育ってさ、どうしてもグループとか作らなきゃいけなくなるだろ」



ああ


やっぱり気づいてる


結局心配させてるし・・・。



「無理に作れとは言わないけど、少し心開いてみてもいいんじゃないか?」



「・・・開くの?」



「ああ、どんなにあのクラスが嫌いでもさ、中学2年っていうのは今しかないんだから。あのクラスで楽しむことも大切だろ?」



「でも、あのひと達私のこと嫌みたいだから」



思い出すと、


あの声がリアルに聞こえてくる






『ひとりでも大丈夫みたいだから』






自分で作り上げてしまったイメージなんだから、自業自得なのもわかってる。



本当は違うのにな。


できるものなら、あなたたちと話だってしたいよ。



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