人魚姫の涙~先生への想い~


お父さんは、離れて暮らしていても私に連絡をよくしてくれた。


会いたいけど、会うことは出来なかった。


お母さんが怒るから・・・。


私は怒られても構わなかった。

でもお父さんが責められるのが嫌で、いつもお父さんの誘いを曖昧に誤魔化してた。


だけど、今日は


今日だけは、内緒でごはん食べに行こうかって


お父さんがいつも以上に強く誘ってくれた。


それは、私が誕生日だからだったんだ。


気づかなかった・・・。




一度くらいなら・・・大丈夫だと思ったんだ。




でもこうして・・・見つかって・・・



今きっとお父さんは


待ち合わせの、駅のベンチで待っているはず


携帯もなくて連絡も出来ない


きっとこれから、連絡することはなくなるだろうけど



お母さんがしようとしていることはわかってる。



私とお父さんが二度と関わらないように



引き離す。




どこか遠くへ



引っ越すことになる・・・




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