人魚姫の涙~先生への想い~
合唱祭当日、目が腫れなくて良かった。
ここんとこ毎日なんだか涙が止まらなかったから・・・。
頑張ろう。
いっぱい練習してきたじゃん。
先生にほめてもらえるように頑張ろう。
着替えて、髪を整えて・・・準備をしていると、コンコンってドアをノックする音が聞こえた。
はぁ・・・
ため息をついて、「入っていいから」と冷たく言った。
ドアをゆっくり開けたのは、お母さん。
大嫌いなお母さん。
目も合わせず、ひたすら準備をする私。
「はるちゃん、今日合唱祭なんだって?会場まで電車使うでしょ。電車代、渡しておくからね」
机に、お金を置くちゃりんって音がした。
早く出て行って
お金なんて要らない
「お母さん仕事だからいけないけど、頑張って歌ってね」
ばかみたい
私のこと何にも知らないくせに、母親ぶって・・・
歌わないし
伴奏だから