人魚姫の涙~先生への想い~



『はるちゃん、お母さんね、遠いところに良いお家見つけたの』



数日経って、私をリビングに呼び出したお母さんは、まずそう言った。


わかってたけど。


そうなることぐらい予想してた。



『学校も変わっちゃうから、お友達に挨拶しておいてね』



学校・・・変わるんだ。


当たり前か。


全部初めからになるんだ。


だからこそ、決めた。



私はいないほうがいい人間なんだ。



生きているだけで迷惑な人間なんだから



人と関わったらだめ。



関わって



また迷惑をかけて



傷つけることになったら



本当にいらなくなってしまう。




もうこれ以上人を傷つけたくない。




悲しませるのはもうたくさん。



ただなんとなく生きていればいいんだ。



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