青の微熱
「ほんとに?」

トビは素直に喜んだ。

「美紀がね、
教えてくれたの」

私はまた嘘をついた。

「行く! 行く!
絶対見たいよ!
当たり前じゃ~ん!
兄ちゃんなんで俺に教えて
くれないんだよ~」

とふくれっ面をした。


トビの輝く顔を見て
私は事の重大さを忘れた。

トビはこんなに喜んでる!

目立たぬように
そっと遠くから見ればいい

トビもそれを望んでる。

二人は会うべきなんだ・・・

トビの兄貴を独占して
いいはずはないんだから・・・



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