青の微熱
そこには
祐介の暖かい胸があった

祐介の懐かしい香りがした

私達は長いこと
いや、ほんの数秒
そうしていた・・・


会えなかった時間を
そっと
取り戻すかのように・・・


唐突に
祐介が沈黙を破った。


「今日のご飯は肉じゃが?
ちゃお、肉入れ忘れてない?」


茶織が思わず噴出した。


「んな訳ないじゃん!
もう高校生じゃないんだからっ!」


二人の時間は
この時、やっと流れ始めた。


笑った祐介の瞳は
また昔のように
透き通るような琥珀色に
戻っていた。






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