青の微熱
街路樹を抜けたら
空蝉達の鳴く声がした。

貴方はきっと
この世の肉体を捨て去り

解き放たれて自由になって
また生まれ変わる準備を
しているのかもしれないね。


できるなら・・・
また近くに生まれてきてね!

きっと祐介と一緒に
貴方を見つけてあげる。

そして今度こそ思いっきり
抱きしめてあげる!

その時私たちは
もう少し大人になれて
いるのかな・・・?

だから、きっと
また会う約束しよ!


右手の薬指の指輪を
くるくる回して
天国のトビにサインを送ったら

青い石が
太陽に反射して虹色の
キャンディみたいに
美味しそうにピカピカ光った。

トビが「OK!」って
答えた気がして
茶織はクスっと笑った。








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