今日も君が笑顔でいられますように
さくちゃんが部屋を出て行ったあとも、しばらく海を眺めていた。
本当に綺麗だなぁ。
海はやっぱり田舎のほうが似合う。
東京の海はなんだか息苦しい。
周りの景色がそうさせているのだろうか。
まぁ、そんなことは解らないけど、ここから見る海は好きだ。
「みっちゃん、ご飯出来たよ」
あらかじめ宅配便で送っておいた荷物の整理が一通り終わった頃、
ばーちゃんの呼ぶ声が聞こえた。
「はーい」
大きな声で返事をすると、階段を駆け降りる。
ばーちゃんの料理は、昔ながらの料理で好きだ。
茶の間に行くと、すでに三人は座っていた。
「おぉ、満月。おっきくなったなぁ」
じーちゃんが笑顔で話しかけてくる。
日焼けした肌は、農作業をしている証拠。
じーちゃんは稲作農家だから。