今日も君が笑顔でいられますように



「さくちゃん?」


そこにいたのはさくちゃんだった。


「満月?」


私の声に驚いたように振り返る。


「さくちゃんもお参り?」


「あぁ、うん。満月も?よく、ここに神社があるって解ったな」


「まぁ、道に迷っちゃって。そしたらここに着いた」


私が言うと呆れたような顔をしたさくちゃん。


「なんで迷うかなぁ。まぁいいや。お参りしたら、一緒に帰ろ」


「うん。ありがと」




さくちゃんと一緒にお願い事をした。


賽銭箱に25円を投げ入れる。


「なんで25円?」


さくちゃんが不思議そうに呟く。


「重々ご縁がありますように。って」


「あぁ、そういう意味ね」


じゃあ俺も。
そういって、さくちゃんも25円を投げ入れる。


目をつぶって、願い事を呟く。


神様に届くように何度も何度も。



< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop