今日も君が笑顔でいられますように



そんなさくちゃんが私の部屋に来たのは、その日の夜だった。


「満月、起きてる?」


ノックの音と共に聞こえてきたさくちゃんの声。


こんな時間になんだろう。



時計をみると9時ちょっと前だった。



「起きてるよ」


そう言うとドアが開く。


「ねぇ、今から散歩行かない?」


「今から?」


一体何を考えてるんだこの人は。


今何時なのか解ってるのかな。


「うん。海行こうよ。夜の海も綺麗だよ」



そう言って私の腕を引っ張る。


まるで小さな子供みたい。



「わかったよ。いこっか」


私がそう言うと満足したように笑った。





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