今日も君が笑顔でいられますように
満月
夜の海は風があって、思っていたより涼しかった。
良かった。
せっかくお風呂に入ったのに、汗かいてまた入り直すのは嫌だ。
「満月」
さくちゃんが自分の隣を指差す。
そこに座れってこと?
隣に腰を下ろすとさくちゃんは寝転んだ。
「ねぇ、なんでこんな時間に海に連れてきたの?」
1番気になったことを聞く。
「んー。満月に夜の海を見せたかったから」
それだけ?
今日は満月だしね。
なんて言いながら笑ってるけど、それだけじゃない気がする。
「他にも理由があったんじゃないの?」
そう言うとさくちゃんはちょっと驚いた顔をしてこっちを向いた。