今日も君が笑顔でいられますように
「そんなこと言うな」
息苦しいくらい強く抱きしめてくる。
「さくちゃん?」
「辛かったよな」
普通はここで泣くところなんだろうけど、涙なんて全然出て来なかった。
「さくちゃんだって辛かったんじゃないの?」
「俺?」
抱きしめたままさくちゃんが聞き返す。
「さくちゃんの笑顔なんかぎこちなかったから」
静かに諭すように喋る。
「何かあったんなら、話してみたら?私もさくちゃんに話したらすっきりしたし」
そう言うとさくちゃんは抱きしめていた腕の力を緩めてまた横になる。
「満月ってエスパー?なんで解るわけ?」
はぁーと溜息をはく。
「そんなこと言ったら、さくちゃんだって解ったじゃん」
「まぁ、そうだけど」