今日も君が笑顔でいられますように




「俺は何の為に生まれてきたんだろう」


さくちゃん‥‥


さくちゃんだって辛かったんだね。


ごめんね、自分だけが辛いだなんて思って。



「ねぇさくちゃん、泣いてもいいよ。私が受け止めてあげるから」


そう言って両手を広げる。


そうすると、さくちゃんが抱き着いてきた。


正確に言えば私が抱きしめられる形だけど。



さくちゃんの涙が私の頬に落ちる。


声を出さないでさくちゃんは泣いていた。



「だから、私も今だけは泣いていいかな」



今になって涙が溢れてきた。



私たちは抱きしめ合いながら泣いた。


さくちゃんが強く抱きしめてくる度にまた涙が溢れる。



だけど、安心する。

さくちゃんに包まれてあると安心する。



さくちゃんもそう思っていてくれたらいいな。






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