キケンなかおり
「それでっ、返事は!?環」



候さん....君はとことんあたしのセリフを無視するんですね...



もういいよ...わかったよ!


「ありひゃほう(ありがとう)!!」



あたしがそう言ったら、心も候も

「どういたしまして!」


と言って、笑いながらあたしのほっぺたから手を離した



「ってかなんで『ありがとう』は聞き取れて、さっきの言葉が聞き取れないんだよっ!!」



「さあ?」


「何で今のが聞き取れたか俺にもビックリー」


心がしらばっくれた後で候が棒読みでそう言った



なんだなんだ!?!?



心も実はさっきのセリフ聞き取れてたのか!?



何だよ何だよっ!!!


2人してあたしのHELPを無視しやがって....



いい度胸じゃないですか



候にはさっきのニンニクセットをプレゼントすること決定



心には、今日のお風呂のお湯を熱湯に差し上げてやろう(←地味)



人の顔を見て、わあ、ほっぺた真っ赤っかだ〜!とか騒いでる候と、それを見て笑っている心にささやかな復讐を誓っていた時



「さっきまでの威勢は何処に消えたんだ?チビ」



と、腹立たしいヤツの声が聞こえた


「大希っ!!!」


「大希...お前いいかげんにしとけよ」


大希の言葉を聞いて今まで黙っていた大志くんとサッチーが口を開いた


候はやれやれ、と言いながらあたしの髪を指でクルクルとまいて遊び始めた



おいおい....君は修羅場になりかねないこの雰囲気でそんなことをしだすのかっ!!




チラッと候の方を見ると今度は鼻歌を歌い出した





どんだけノンキなんですか、貴方は....







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