Drop Piece
……誰だろ?
一番手前に座ってるふわふわのミルクティー色の髪の男の子は悪戯っぽく笑ってあたしを見ている。
その隣の男の子は無造作黒髪くん。興味津々にあたしをじぃっと見て、ミルクティーくんに何か囁いてた。
で、その隣の男の子は色素の薄い髪を揺らしながらうとうとしてて、眠たげに目を擦っていた。
そして。
入って正面に座ってる、“ヤツ”。
焦げ茶の髪の隙間から、あたしを小馬鹿にしたように見つめ、口許にも小馬鹿にしたような笑み。
今まで感じたことないようなオーラを纏う男の子。
でも、あたしは小馬鹿にされるようなことしてないよ!!
キッ、と睨み返して応戦する。
最初の3人の男の子の後ろを歩いた。
「よろしくねーっ」
「よ…よろしくなっ」
「…ん…」
それに笑顔で返し、顔を上げ意識はボスザルに。
「……よろしく」
なんなの、その表情!?と言いたいけど必死に我慢して挨拶。
「足、引っ張んなよ?」
挑発のようなその言葉。
そっちがその気なら、
「あんたこそ」
あたしも負けないよ?
「へぇ、やりがいあんじゃん」
こいつが、これからのあたしの生活に大きく関わるなんて、この時のあたしはまだ知らなかった。