Drop Piece
ソファに座り、琉飛の鼻を摘むとふるふると震える瞼がゆっくり開いた。
「…はよ、琉飛」
「……っん、…いち…る…」
うっすらと目を開け、また閉じようとする琉に制止の声。
「寝んなよ、十二時から打ち合せだっつーの」
「う…ち…合わせ……、何の」
「俺のドラマ」
「……壱流…頑張れ…」
「だからShiNeが主題歌歌うんだよ。だからお前らも行くの」
「ねむ……」
また琉飛は夢の世界へと旅立ってしまった。
仕方無く眠たそうな琉飛をひきずり、楽屋に入る。
「で?なんで、乗り気じゃないの?」と利央が身を乗り出して、興味津々とでも言うように聞いてきた。
「…別に」
「なんで晴は知ってて、俺は知らないの!?」
「……」
馬鹿晴。
軽く晴翔を睨むと、見事に目を逸らされた。
「…共演者が気に入らねぇんだよ」
「だれー?」
「朝浜光輝」
「…随分輝いてる名前だね」
以前、共演した時からあんま気に入らなかった。
「そっちなのかよ?俺、ヒロイン役の子が気に入らねぇのかと思った」
晴翔がびっくりしたように言ったのに対し、くすりと笑う。