Drop Piece



今日は学校からそのままスタジオに来たから楽屋の端に制服と鞄が置いてある。


「……あ、テスト勉強しよ!!」

「光、普通の学校だもんなー。テストとか大変だな」


いちるもちらり、とあたしを見つめた。


「そんなことないよ。楽しいし、芸能人だからって理由で色々諦めたくないの」

「……すっげー、俺ら芸能科のある学校だけど最後に行ったのいつだっけな」

「俺、4ヵ月前ぐらい」

「いちる、もともと学校きら…ごめん!ごめんなさい!!」


いちるの拳を見て、晴翔が青くなる。

あたしは笑いながら、鞄をあけたけど。


「………っ!!」


すぐ閉じた。

屍になった晴翔を余所にいちるがどうした、と聞いてきた。


「な……んでもないっ!やっぱり次のシーンの確認しよっと!」


力を入れ、にっこりと笑う。


「……そ」


しばらくあたしを見つめてたけどようやく雑誌に目を戻した。


この固い、笑顔、どうしよっか。



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