Drop Piece



「んー、さっきの子たちいないねー」


購買で買ったいちごみるくをちゅー、と飲みながらむくれて壁に寄りかかるその姿は完璧女の子。


「ちょ、ばれた時のショックすごいって!」

「んー。・・・ふふ、楽しそう」


小悪魔キャラ全開だよ、利央。



「光ー!」


向こうからクラスメートが走ってきた。

「あー・・って!」


隣の利央の存在を忘れてて、思わず振っていた手を止める。



「どうしよう!!」

「何が?」


首を傾げてあたしを覗きこむ。


あ、可愛い・・・じゃなくて!!



「あのこたち、ShiNeの大ファンなんだよーっ!」


まずい!ばれちゃう!



「へーきだよ」


焦りが頂点に達したあたしとは反対に利央はさっきと同じようにいちごみるくを飲み続ける。



「ShiNe専属のメイクさんにやってもらったし、晴も騙せたんだよ?」


晴翔ってところが心配なんだけど!


「それに」


ストローから口を離し、悪戯気に笑った。



「利央くんの演技力、なめちゃダメだからね」



< 162 / 340 >

この作品をシェア

pagetop