Drop Piece



「もう、光探したんだよー?」

「ご・・・ごめん」

「光?」


目を合わせられないあたしにみんなが訝しげに覗いてきた。


どうか気付きませんように!
どうか気付きませんように!!
どうか気付・・・!!!



「あれ、光。その子誰?」


うん、普通気付いちゃうよね。


「あ、えと…」

「リコっていいますっ!よろしくねっ」


リコって誰ー!?


ぐいっ、とみんなに引っ張れ利…リコから離される。


「ちょ、あの可愛い子、誰?」

「事務所の子?」

「えっと…」


いつもみんながキャーキャー言ってる人たちの1人です、って言えたらどんなに楽か!


・・・言えないけど!



「ちょっとした知り合いなんだよねー?光」

「う…うん!」


いちごみるくを可愛く握りしめたら、もう誰もわからな…!

「なんか利央くんに似てるー!」

…いはずー!?



「にににににににに似てないよ!」

「なんで光がテンパってんの。ねーねー利央くんの親戚、とかじゃないんだよね?」


何か期待するようなキラキラした目でリコを囲んで見始める。


これはかなり危ない!



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