Drop Piece
昼休みは終わってしまい、あたしは授業へ、リコは校内探検に向かうらしい。
「ほんと小悪魔ぶり発揮しちゃダメだよ!?」
「ふふ、しないよー」
不安!
「じゃ、あたし行くね」
「光」
教室へ向かおうとしたら、唐突に呼び止められた。
「光は……るからね」
「え?」
周りの生徒たちの声でよく聞こえず、聞き直そうとしたら予鈴が鳴ってしまった。
「っあー!やばいい!!じゃねっ、利…じゃなかったリコ!!」
手を振り走り出したあたしの頭には次の授業の当たる順番しかなかった。
「─…光は、俺たちが守るよ」
あんな、あんな悲しそうな顔を姫にさせた罪は重いんだよ。
ピ、と携帯を開く。
「もしもし、……キング?」
利央、何してるかな…。
先生とかにも小悪魔被害が及んでたらどうしよう!
し…収集がつかないよ!!
「なー、さっきのさー」
「今、それどころじゃないのぉぉぉ」
「お…落ち着けよ」
ほんとにどうしよう!!
やっぱ1人にするべきじゃなかった!
「ね!このあとHRだけだよねっ?」
「あ…あぁ」
「じゃ、先生に早退したって言っといて小悪魔を捕獲してくるから!」
「は?」
捕獲しなきゃ!