Drop Piece
教室を勢いよく飛び出したあたしは廊下を駆け巡る。
角を曲がろうとした、その時だった。
─ドシンッ
「…ったぁ、ごめ…っな…さ…」
相手の顔を見て、あたしは固まる。
「探したよ?光チャン」
「っきゃ!!」
屋上に連れていかれ、ドン!!と地面に倒される。
「さっきのさぁ、あれ何な訳?」
「ケンカ売ってんの?」
「ちが…」
さっき利央が助けてくれた時の先輩たちがあたしを囲んで睨み付けてくる。
「あんた、調子乗んのもいい加減にしなよ?」
「もうさぁ、…いざとなったら傷物に、できるんだからね?」
冷たい笑みを浮かべながら先輩の指があたしの顎を掴む。
先輩たちは…本気だ。
ぞっ、と寒気がして後ずさった。
「顔じゃなくて、…か・ら・だとか?」
「!」
「女優の高崎光が相手なら誰でも協力してくれそーだしね?」
きゃははは、と甲高い笑い声を上げて、先輩たちはあたしを見下ろす。
「やめ…って」
目に溜まった涙が今にも零れ落ちそうだった。
「今、ここで、やる?」
「誰か、呼び出してさぁ。暇な男、いっぱいいるっしょ」
もう、我慢できない…よ。
「たす…けて…っ」