Drop Piece
「なっ…」
「だから、でていーの?って聞いたじゃん、ねっ?」
タンクの上から飛び降りて、あたし達の方へ向かってきた。
利央が歩くと、先輩たちはサッ、と避け道を開ける。
「お手をどーぞ?お姫様」
「利……っ央」
手を差し伸べられ、震えながらそれを掴んだ。
立ち上がって真正面から利央を見つめる。
「光」
ただ名前を呼ぶだけだけど涙を溢れさすには十分だった。
「………っ」
周りの先輩たちが息を呑む。
「さて、と、それで?」
利央が先輩たちを見つめた。
「これは、なに?」
先輩たちが一斉に体をびくりと震わせているのを感じた。
「言っとくけど、光が俺たちに言った訳じゃないからね。これは、
…俺たちの独断行動」
お……れ……た…ち?
ガタン、と背後で音がする。
は、と振り返ると屋上の扉に。
「光っ!!」
「……助けに来たよ…」
「俺が何にも気付かないとでも思ったのかよ」
晴翔、琉飛、いちるが立っていた。