Drop Piece
「っあ…」
先輩たちが泣きそうな顔をしだす。
「だいじょぶかっ!?」
晴翔が駆け寄ってきてあたしの顔を覗き込む。
琉飛はいつもの温和な表情はどうしたのか、というような冷たい顔で先輩たちを見据える。
「ねぇ」
「りゅ…っひく…」
まるで違うの、とでも言うような顔でそろそろとリーダー格の先輩が琉飛に近付いた。
琉飛の手に触れた途端、琉飛がそれを振り払った。
「…俺……だいっきらい……陰で…こうゆう…卑怯なことするの…それに……」
「りゅ…」
「……みかん……傷付ける奴は…世界で…一番、きらい」
初めて見る琉飛の激しい怒りに、ただただ涙が流れた。
「で?」
「!!」
「お前ら、どうするつもりな訳?」
いちるが壁に寄りかかり、睨み付ける。
「覚悟できてんだろうな?」
「やっ…ごめ…なさ」
すでに泣き始めてしまった先輩たちはすがるかのように謝り始めた。
「逆に光栄だな」
は、と冷たい笑いを洩らす。
「俺らにここまで嫌われるオンナいねぇしな」
「いちるく…っ」
「またあいつに何かしてみろよ、もうどんな報い受けるかわかってんだろ?」