Drop Piece



何故かこんな忙しい時期にライブをやることになった。


暇な時、なんかねぇけど何で今この時なのか意味がわからない。


ライブは好き、だけど。


「……移動時間、二分って俺は超能力者かよ」


さすがに、キツい。



「ちょ、待てよ!琉!」

「晴、…うるさい。あ、……おはよ」


メンバーが揃い、社長も数分後にはちゃんと来た。


スケジュールをどけ、ライブの資料に目を通した。


あと四十分で撮影の迎えがくる。

…それまでに粗方、把握しとかなきゃな。



「今回のライブ構成は……」




────……
──…


時間通りにきた迎えによって、現場に到着し楽屋に直行した。


「おかえり!いちるっ」


楽屋では、馬鹿が台本をパラ読みして待っていた。

現場に着くと、さっきまでライブの構成で埋まっていた頭が台詞に書き換えられる。


………職業病こえー。



「次、誰」

「えっと、今あたしが終わって……あ!いちるはまだ時間あ…る……よ…」


ソファに崩れ込むように座り、馬鹿の肩にもたれ掛かる。



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