Drop Piece
「いちいちいちる!?」
誰だよ、それ。
なんだかシャンプーのような香りがふわ、と漂ってきて鼻腔を掠める。
「馬鹿でも…枕ぐらいにはなれんだろ」
口をパクパクする、アホっぽい表情が視界のはしっこに見える。
瞼が重く、視界がだんだんと狭くなってきた。
「つか……力…抜けよ。…寝心地悪ぃだろ…」
「どんぐらいで起こす?」
「ん、お前が……行くとき」
完璧に目を閉じて、睡魔の誘いに従う。
俺でこんななんだから琉、生きてっかな。
「なんかいちるじゃないみたい」
「眠いんだよ」
その言葉を最後に無音の世界に落ちた。
「………うひ、……ろされるよ!……」
「………うぶ……。ん、………わいい」
何処かから聞き覚えがある声が聞こえて静かに目を開けた。
「!ごめっ…、うるさかった?」
「琉……?」
まだ寝ぼけてるのか口が上手く回らない。
「お目覚め……キング?」
「どうした?」
つーか、俺どんぐらい寝た?