Drop Piece
琉飛が手を伸ばし、俺の髪に触れる。
「…どした」
「やっぱ…、普段の壱流の髪の方が……俺、好き」
「んだよ、いきなり」
琉飛が何だか寂しそうに言うので、苦笑しながら自分の髪に触れた。
いつもは外ハネの髪型もドラマの役柄の為にストレートにしてる。
「だって……、写真、……上手く撮れなかった」
琉!と隣で馬鹿が騒ぐのをデコピンで弾き飛ばし、琉を訝しげに見つめた。
「写真?」
別に、撮影現場以外は元の髪型に戻してっから雑誌の撮影とかには問題ねぇはずなんだけど。
「それも…似合ってるけど…いつものが……可愛い」
「おい、琉?」
寝惚けてんのか、こいつ。
「ほら」
おもむろに携帯を取り出して、液晶を俺に見せてきた。
「は?な…んだ…よ…」
待ち受けを見て、フリーズ。
「な!なんかね!琉、さっきまで出てたバラエティーでね…っ!」
「びいえる、…って芸人さんに習ったの」
再びフリーズ。