Drop Piece



「は、い?」

「『それ、なんですか』って聞いたら、……『男が好きなことだよ』って言われて…、よくわかんなかったの」

いや、わかられても困る。


「で、『どんな気持ちになるんですか』って聞いたら、『琉飛くんが男の子のこと可愛い!って思ったら、それは始まりだよ』って…」

その芸人連れてこいよ!人のメンバーになに教えてんだよ!!


「で、…番組中…ずっと考えて」


いや、仕事に集中しようか。


「俺、メンバー好きだなぁって……思ったの」


琉…!メンバー愛だね!とか騒いでる馬鹿をまた弾き飛ばす。


「で、壱流に会いに来たら…寝てたから撮って…待ち受けにしたの。そしたら可愛かった…から、これが始まり…なの」


理由になってねえから!始まりって何だよ!


何も言えず、琉を凝視してると、ふわりと笑いかけられた。


「…ってゆうのは…冗談で…壱流、仕事の迎えに来た」


どこから冗談か、が重要じゃね?

「は、でも、ドラマ……」

「あ、今日の撮影は雨で中止だって!!」

「さっさとそれ言えよ!」

「デコピンで弾き飛ばしてきたのいちるじゃんんんんー!」


荷物を取り、立ち上がって楽屋のドアへ向かう。


「頑張ってね!」

「あ、枕。……寝心地まあまあだな」

「あたし枕じゃない!光!」


クスクス笑ってる琉と共にその訴えを聞きながら楽屋を出た。



< 177 / 340 >

この作品をシェア

pagetop